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高橋 嘉夫*; 木村 貴海
Bulletin of the Chemical Society of Japan, 74(10), p.1899 - 1900, 2001/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Multidisciplinary)レーザー誘起蛍光分光法を用いて、ポリメタクリル酸及びポリアクリル酸と錯形成したEu(III)の内圏の水分子数Nを、温度及び高分子電解質のa(酸解離の程度)の関数として測定した。ポリメタクリル酸の配座遷移がNのa依存性に明瞭に観察された。
Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 60(6), p.617 - 624, 2001/03
被引用回数:33 パーセンタイル:89.46(Chemistry, Physical)アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)とアクリル酸(AAc)を含むモノマー水溶液系に線を照射した場合、これらのモノマーは重合の過程で架橋反応が同時に進行することが知られている。この放射線重合反応を利用して、コポリマーゲル膜を合成し、温度、pH変化に追従した疎水性、空孔率、カルボキシル基などの変化と金属イオンの膜透過特性について調べた。70/30mol%A-ProOMe/AAcコポリマーゲル膜を用いて、30で金属イオンの透過挙動を調べたところ、リチウムイオンがpH4.75以下で、セシウムイオンがpH4.65e以下で透過しなくなることがわかった。この透過挙動の違いを利用して、リチウムイオンとセシウムイオンを選択的に分離した。
杤山 修*
JNC TJ8400 2000-044, 53 Pages, 2000/02
フミン酸における高分子電解質と組成不均一性による効果を評価するために、Ca(II)とEu(III)のポリアクリル酸錯体やフミン酸錯体の生成定数をEu(III)は10-8M10-5Mの濃度範囲で、TTAとTBPのキシレン溶液を用いる溶媒抽出法により、10-10MCa(II)はTTAとTOPOのシクロヘキサン溶液を用いる溶媒抽出法により、10-4MCa(II)はCaイオン電極を用いて求めた。検討においては見かけの錯生成定数をa=[MRm]/([M][R])と定義し、イオン強度0.11.0MのNaClO4またはNaCl溶液中でpcH4.85.5においてlogaを求めた。ここで[R]は解離官能基の濃度、[M]と[MRm]はそれぞれ遊離及び結合している金属イオン濃度を表わす。Eu(III)-フミン酸錯体についてはloga=5.09.3、Ca(II)-フミン酸錯体についてはloga=2.03.4という値を得た。フミン酸およびポリアクリル酸のいずれにおいてもlogaはpcHまたは解離度と共に増加する傾向を示し、イオン強度の影響については、イオン強度が0.1Mから1.0Mに増加するとEu(III)のポリアクリル酸錯体のlogaは約1.6減少するのに対しフミン酸錯体のlogaは約0.7程度の減少となった、Ca(II)についてはポリアクリル酸1.9に対してフミン酸1.2の減少となった。金属イオン濃度の影響については、ポリアクリル酸では金属イオン濃度の影響を受けないが、フミン酸では金属イオン濃度が増加するとlogaが減少する。また、Eu(III)-ポリアクリル酸錯体のlogaはCa(II)の共存により変化しなかったが、フミン酸錯体のlogaはCa(II)が共存しないときに比べEu(III)濃度に依存して00.8程度減少する。フミン酸と金属イオンの錯生成が金属イオン濃度の影響を受けるのは、フミン酸中に錯生成力の違うサイトが共存しているためと考えられる。
吉田 勝; Hendri, J.*; 前川 康成; 久米 民和; 片貝 良一*; Said, A. E. A.; Hegazy, E. A.
Chitin and Chitosan; Chitin and Chitosan in Life Science, p.43 - 46, 2000/00
キトサンは酸性水溶液に溶解する。この条件下で線照射を行った場合、キトサンは分解することが知られている。しかしながら、キトサンのアミノ基を、あらかじめカルボキシル基を含む重合性単量体と水素結合させたのち放射線照射すると、重合と架橋反応が起こり、キトサンを含む架橋構造型多孔性ゲルが得られたことを見いだした。このゲルのpH特性を調べたところ、37の場合、pH5でゲルの膨潤挙動が変化することがわかった。そこで、このpH応答性とキトサンの持つ抗菌性を組み合わせ、薬物を経皮から吸収されるためのゲル膜として薬物放出をインドメタシンを用いて検討した。その結果、薬物透過は、pH7で極大を示すことが判明した。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*
Environmental Science & Technology, 33(22), p.4016 - 4021, 1999/00
被引用回数:46 パーセンタイル:74.36(Engineering, Environmental)水溶液中でポリアクリル酸、ポリメタクリル酸で被われたモンモリロナイトなどの有機-無機複合体上に吸着したEu(III)のスペシエーションに時間分解蛍光法を応用した。Eu(III)吸着種の発光寿命、発光スペクトルの測定から、Eu(III)はEu(III)-ポリカルボン酸錯体としてモンモリロナイト上に吸着することを見いだした。さらに、Eu(III)-ポリカルボン酸錯体及び無機Eu(III)化学種の安定性が有機-無機複合体上のEu(III)吸着種を制御することを明らかにした。これらから、天然水系においてEu(III)がフミン酸-粘土鉱物などの有機-無機複合体と接触すると、Eu(III)はフミン酸錯体として吸着することが示唆された。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 巻出 義紘*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.335 - 340, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.22(Chemistry, Analytical)天然に存在するフミン酸のような高分子有機酸とアクチノイド(III)及びランタノイド(III)との錯形成は重要であるが、その不均一性によりその錯構造は明らかではない。Eu(III)とポリカルボン酸[ポリアクリル酸(PAA),ポリマレイン酸(PMA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリヒドロキシアクリル酸(PHAA)]をモデル物質に用いて、レーザー誘起分光法により錯体の水和数Nの測定からその構造を研究した。PAA錯体ではpH2.5から錯形成し、3.5pH9で2.5N4であった。PMM及びPHAA錯体のNは安定度定数と逆の順序(PHAA錯体PAA錯体PMA錯体)であった。これは、より多くの脱水和により安定な錯体が形成されることを示す。PMAA錯体のNのpH依存性は他の錯体と異なり、pH7で極大を示した。pH滴定、粘性測定からPMAA錯体の急激な形態の転移としてこれを解釈した。
渡辺 龍三*
PNC TJ9601 98-005, 85 Pages, 1998/03
高速増殖炉の超寿命燃料被覆管の実現に向けて、機能発現のための手法として傾斜機能化を、作製プロセスとしては特に形状付与、組成制御および組織制御の自由度を求めて、スラリーディップ法に注目した。まず、燃料被覆管の内表面の核生成物に対する耐食性、中性子に対する耐照射損傷性、材料自体の高温強度、あるいは外表面の液体ナトリウム冷却材に対する耐食性等を踏まえ材料選択があり、これに対しては、ステンレス鋼管の内筒側および外筒側にそれぞれチタンおよびモリブデンをコーティングすることを考えた。このような被覆複合化に必然的に付随する熱応力の発生による材料破壊および異相界面での接合不良を回避するために、内外表面層の傾斜機能化を試みることにした。また、円筒形状物の内外表面への傾斜層の構築を考慮して形状付与および組成分布付与の自由度の大きいスラリーディップ法を採用した。本研究では、スラリーを構成する溶媒、分散剤、結合材および原料粉末との関連において、スラリーの分散、沈降、粘度、流動特性、降伏値について詳細に検討した。特に膜厚の微細制御の可能性を求めて、低粘度スラリーと高粘度スラリーの両者について検討した。低粘度スラリーの場合は粒子の沈降抑制のための条件探索が課題であり、一方、高粘度スラリーの場合には精確な降伏値を求めるために流動特性を明らかにすることが重要である。低粘度スラリーについてはその安定成の目安として分散粉体の沈降速度、およびスラリー中における原料粉体の分散性の目安として体積高さを指標として、傾斜層形成条件を決定した。すなわち、低粘度スラリーにおいては、ディップコーティングを再現性良くまた行程作業上安定に行うためには、沈降速度がなるべく小さいこと、また、沈降堆積高さが小さいほど良いとされる分散性の確保が重要である。一方、高粘度スラリーの場合には、低粘度スラリーにおいてみられる沈降現象は抑制される。また、高粘度スラリーを用いる場合には、スラリーの流動特性より粘度および降伏値が求まり、ディップコーティングの膜厚の制御性も良好である。ディップコート材の乾燥、脱脂、焼結に関わる諸プロセス条件は現行の粉体加工技術に求めればよいわけであるが、収縮の不均一に起因する傾斜組成制御材特有の問題を解決する必要がある。本研究ではプロセス条件を最適化することにより健全な傾斜機能材料を得た。しかし、一般的に傾斜
not registered
PNC TJ1601 98-003, 57 Pages, 1998/03
放射性核種の地中移行プロセスにおいては、含水酸化物等の亀裂充填鉱物や有機分解縮合成物(フミン物質)などが、核種の地下水-固相間の分配に大きな影響を与えると予想される。しかし、これらの物質においては、錯生成官能基が固体や高分子の骨格に固定されていることによる効果と、組成および構造が不均一な混合物であることによる効果が重畳しており、相互作用は複雑となる。そこで、フミン物質のモデル物質として、組成が均一な高分子弱酸であるポリアクリル酸を選び、その酸解離およびNp(V)との相互作用を調べた。酸塩基滴定の結果によれば、高分子弱酸の酸解離は、解離度が大きくなる程抑制され、イオン強度が高くなるほど促進される。この結果に基づき、解離度とpH、イオン強度との関係を記述するモデルを確立した。また、溶媒抽出法により得られたNp(V)のポリアクリル酸錯体の見かけの生成定数は、解離度の増加と共に増大し、イオン強度の増加と共に減少した。これらは、カルボキシル基によるNpO2+への配位が一座から多座に変化すること、および、多電荷を持つ高分子陰イオン近傍へのNpO2+の凝集に対するNa+の競争によるものとを考えた。
杤山 修*
PNC TJ1601 97-001, 50 Pages, 1997/03
自然界における有機分解縮合生成物(フミン物質)とアクチノイドとの相互作用を定量的に評価するには、その高分子電解質性と、組成および構造の不均一性の相互作用に及ぼす影響を明らかにする必要がある。そこでこれらの性質のうち、高分子電解質性のみを独立して評価するために、構造が既知で組成が均一である高分子弱酸としてポリアクリル酸を選び、その酸解離およびNp(V)との相互作用を調べた。酸塩基滴定の結果によれば、高分子弱酸の解離においては、見かけのプロトン会合定数(酸解離定数の逆数)は、解離度が大きくなる程大きくなり、またイオン強度が高くなるほど小さくなる。この結果に基づき、解離度とpH、イオン強度との関係を記述するモデルを確立した。次に、ポリアクリル酸とNp(V)との相互作用を、TTAと1,10-フェナントロリンを用いる溶媒抽出法により検討した。この結果、見かけの錯生成定数は、フミン酸とNp(V)の相互作用について報告されている値に近いものであり、ポリアクリル酸の平均分子量の違いにはほとんど依存せず、pHまたは解離度の増加と共に増大し、イオン強度の増加と共に減少することを確認した。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
清水 雄一; 河西 俊一
Chemistry Letters, 0(11), p.935 - 936, 1996/11
過酸化水素の存在下でアクリル酸の水溶液を高強度のXeFレーザー光(351nm)で照射することによる乳酸の新規な直接合成法について述べる。乳酸の収量はレーザー光の照射量と過酸化水素の添加速度に大きく依存し、最大収量での乳酸生成の量子収率と選択率はそれぞれ0.3および50%であった。生成物分析の結果から、過酸化水素のレーザー光分解で高密度に生成したOHラジカルはアクリル酸のと位の炭素に均等に付加して、乳酸とヒドロアクリル酸を1:1で生成することがわかった。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 212(1), p.11 - 21, 1996/00
ポリアクリル酸及びポリマレイン酸錯体中のユウロピウム(III)に結合した水分子数を評価するために、それらの蛍光寿命を測定した。支持電解質濃度が0.01Mの場合、錯体中のユウロピウム(III)に残存する水和数は3.5~4.5の範囲であった。残存水和数は支持電解質濃度の増加とともに減少した。これらの結果は、錯体中のユウロピウム(III)は高分子配位子によりとり囲まれていることを示す。
梶 加名子
プラスチック加工技術, 15(5), p.9 - 16, 1989/00
放射線グラフト重合による高分子の表面改質について、大阪支所で行われた研究の中、基礎的なものとして、グラットポリエチレンの表面構造に及ぼす重合条件の影響、その応用として、連続気泡型ホリエチレンフォームの親水化を紹介した。
林 香苗; 竹崎 淳一; 岡田 紀夫; 桜田 一郎*
J.Appl.Polym.Sci., 36, p.295 - 308, 1988/00
被引用回数:6 パーセンタイル:40.82(Polymer Science)メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-ブチルの放射線重合を線ならびに電子線加速器を用いて10-10rad/secの広い線量率範囲にわたって行った。メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチルに対しては上記の全線量率領域にわたってラジカル重合がおこり、重合初期段階では定常状態の動力学が成立することがわかった。アクリル酸メチル、アクリル酸エチルに対しては、線量率の増大による重合速度の増大は、1/2乗則から予想されるよりずっと小さく、線量率の増大による分子量の減少よりもずっと小さいことが示された。ここで研究したモノマーすべてについて、ゲル効果による重合速度の自動加速現象は、線量率の増大により明瞭でなくなった。これらのモノマーから得られたポリマーはすべて二つのピークをもつ分子量分布をもっていることが明らかとなった。
Y.S.Soebianto*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, 149(2413), p.87 - 99, 1987/00
被引用回数:11 パーセンタイル:54.07(Polymer Science)結晶化度の異なるポリメチルペンテン(TPX)に種々の条件下でアクリル酸をグラフト重合した。真空中前照射によって生成したラジカルは真空中前照射のパーオキシラジカルよりも著しく安定であった。結晶化度の高い試料(34%)は真空中照射のみグラフト重合を起した。低結晶化試料(24%)では真空中,空気中いずれでもグラフト重合が起きた。グラフト重合の初期速度は、低結晶化試料の方が高結晶化試料よりも速い。XMAより低結晶化試料においては、グラフト反応が反応時間とともに試料表面から内部へ進み、反応時間の長い試料は内部まで均一にグラフト重合が起きた。一方、高結晶化試料では、表面からわずかに入ったところまでしかグラフト反応は進まなかった。
Y.S.Soebianto*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, (2484), p.159 - 168, 1987/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.51(Polymer Science)低結晶化度のポリ(4-メチルペンテン-1)(TPX)へアクリル酸(AAC)に比べ分子鎖の長い2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とメトキシテトラエチレングリコールメタクリレート(M4G)の前照射法によるグラフト重合を行った。グラフト速度は、分子鎖が短いほど速かった(AACHEMAM4G)。照射条件による重合速度の影響では、真空中線照射空気中電子線照射空気中線照射の順であった。これはラジカル濃度に対応し、ラジカル濃度が高いほどグラフト速度は大きかった。グラフトポリマーの含水率は、同じグラフト率で比較してもグラフトモノマーにより異なり、AACM4GHEMAの順であった。AACの場合は、分子鎖が短いためにフィルムの中まで十分拡散し、均一にグラフト重合が起こるために含水率が高いものと考えられる。
Y.S.Soebianto*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Angewandte Makromolekulare Chemie, (2483), p.149 - 158, 1987/00
被引用回数:8 パーセンタイル:45.51(Polymer Science)エチレンとプロプレンの組成の異なるエチレン-プロピレンゴム(EPR)へのアクリ酸(AAC)の空気中電子線による前照射グラフト重合を行った。グラフト率は生成したラジカルが不安定なために前報のポリ(4-メチルペンテン-1)に比べると極めて低かった。反応液AACと水の中にアルコールを添加するとホモポリマーの生成が抑制でき、グラフト率が増加した。グラフト率はプロピレン含有率により大きく異なり、プロピレン量の増加とともにグラフト率は低下した。この結果は生成したラジカルの安定性と良く対応し、グラフト重合が起きやすいEPRほどモノマーを添加する前のラジカル濃度が高かった。生成したラジカル種は、照射直後は、アルキルラジカルとパーオキシラジカルの二種であるが、昇温とともにアルキルラジカルは急激に減少し、パーオキシラジカルのみが残った。
秋場 秀人*; 西出 宏之*; 土田 英俊*; 大道 英樹; 岡本 次郎
J.Macromol.Sci.,Part A, 23(9), p.1125 - 1135, 1986/09
前照射法によりポリエチレン粉末にアクリル酸およびアクリルアミドのグラフトを行った。アクリル酸とアクリルアミドを共グラフトした場合はアクリル酸を単独グラフトした場合に比べてテルビウムイオンの吸着が早い。また前者の場合の錯形成定数は後者の場合より大きくなった。これはグラフト錯中にアクリルアミドの部分が導入させたことにより、カルボキシル基とテルビウムイオンとの間の錯形成における立体障害が減少したためと考えられる。前者の樹脂をカラムに充填し、テルビウムイオンとコバルトイオンなど繊維金属イオンを含む水溶液を流したところ、テルビウムイオンと遷移金属イオンが効率よく分離された。
梶 加名子
J.Appl.Polym.Sci., 32, p.4405 - 4422, 1986/00
被引用回数:28 パーセンタイル:79.52(Polymer Science)アクリル酸グラフトポリエチレンの組織構造とグラフトポリアクリル酸の分布を調べた。グラフト重合はホモ重合抑制剤であるモール塩の添加系あるいは無添加系で前照射を用いて行なった。モール塩の添加のない系ではフィルム表面にグラフトポリアクリル酸の層が形成され、添加系ではグラフトポリアクリル酸とポリエチレンの両方からなる層が形成されることが明らかになった。
岡本 次郎; 須郷 高信; 片貝 秋雄; 大道 英樹
Radiation Physics and Chemistry, 25(1-3), p.333 - 342, 1985/00
繊維高分子にアクリロニトリルの放射線グラフト重合を行い、次いでヒドロチシルアミンで化学変換してアミドチシム吸着材を合成した。グラフト反応を液相で行なったときは均一に、気相で行なった場合は表面層10程度のところにグラフト層が、それぞれ観察された。これより得た繊維吸着材は中性又は弱酸性液中の遷移金属イオンを良く吸着するが、アルカリ、アルカリ土類金属イオンの吸着は殆んどみられなかった。遷移金属の吸着性は表面層に官能基を集中させてある方が良い結果を示した。また、少量の親水基、特にアクリル酸をグラフト重合で導入することにより吸着性の向上がみられた。これらの吸着材は機械的性質、化学的安定性に優れており、海水からのウラン摂取への応用を図っている。実験室規模の試験についても述べる。